産後骨盤矯正

女性の骨盤は、妊娠・出産を経験することで、ゆがみが生じやすいといわれています。
妊娠を機に、骨盤を胎児の成長の場として、骨盤内の空間を広げていきます。
また、妊娠を機に、「エストロゲン」「リラキシン」「オキシトシン」といったホルモンの分泌が増えます。

とくに、リラキシンの分泌によって、骨盤や恥骨結合がゆるみ、産道を広げるといわれています。
陣痛が始まると、リラキシンの分泌量がさらに増え、骨盤だけでなく、全身の靱帯結合を弛緩させる効果が見込めます。
そのため、出産後は骨盤以外にも、さまざまな部位に負担がかかりやすく、筋肉や関節の痛みを生じやすいと考えられています。

出産後の骨盤は、ゆがみが起こりやすく、ゆがみによって、身体にはさまざまな症状が現れるといわれています。
出産後の骨盤の開き（ゆがみ）によって引き起こされる症状は、次のようなものが挙げられます。

●腰痛や股関節痛

出産後の骨盤のゆがみによって、腰痛や股関節痛を訴える方が多いとされています。
腰痛や股関節痛などの症状は、妊娠中から発症する場合が多く、骨盤のゆがみによって、身体への負担が増えることが影響していると考えられます。
出産後にゆるんでしまった靱帯や筋肉は、2~3ヶ月かけて戻るとされるため、無理に身体を動かすことは控えましょう。

 

●尿漏れ

出産時に骨盤底筋群が圧迫されたり、傷ついたりする可能性があります。
骨盤底筋群に障害が生じ、尿道を締められなくなってしまい、尿漏れを起こしやすくなるといわれています。
産後の尿漏れは、生理的なものであり、通常は1～2ヶ月で自然に改善されますが、なかには症状が改善しない場合もあります。

尿漏れが改善しない場合は、骨盤底筋群体操や骨盤矯正を行い、症状の改善を目指しましょう。
出産後は、靱帯や筋肉がゆるんでおり、骨盤矯正の効果が得られやすいといわれています。

産後骨盤矯正を行う際、次のような施術を行っていきます。

 

●グリット線

産後骨盤矯正を行う前は、骨盤や脊椎のゆがみの度合いを確認する必要があると考えています。
身体のゆがみを正確に把握するために、「グリット線」を用いた方法でゆがみのチェックを行います。

グリット線とは、写真撮影の際に使われる手法であり、専用のアプリを使用することで、骨格や姿勢のゆがみを確認することが期待できます。
身体の正面や横向きで撮影し、グリット線（水平線）を基準に、ゆがみの程度を確認します。

 

●可動域測定器

可動域測定器とは、関節の可動域を測定する機材であり、正常な関節可動域と比較して、動きの良し悪しを確認する目的で使用されます。
これにより、可動域が低下している関節を見つけ出し、矯正を行うことで可動域の改善を目指します。
産後の骨盤のゆがみでは、股関節や肩など、さまざまな関節に可動域の低下がみられやすいため、負担がかかっている部位をみつけ改善を目指していきます。

 

●トムソンベッド

産後骨盤矯正を行う際、「トムソンベッド」と呼ばれる骨盤矯正専用の施術ベッドを使用します。
トムソンベッドは、アメリカで開発された骨盤矯正専用のベッドです。
患者様の体重がおもな負荷となるため、身体に負担をかけず、骨盤矯正を行うことができるといわれています。

トムソンベッドでは、次のような施術を行うことができます。

・骨盤矯正
・股関節の矯正
・肩関節の矯正
・首（頸椎）の矯正
・筋肉の緊張緩和
・脚長差（脚の長さ）の調整

トムソンベッドは、各部位のドロップ（落ち込む）を利用して矯正を行います。
施術者はベッドを調節し、軽い圧を加えることで患者様の体重を利用し、ドロップさせます。

患者様自身の体重を利用する施術なため、痛みをともなうことは少ないといわれています。
矯正を行ったことがない方でも、安心して施術を受けていただけます。

 

●患者様の状態に
合わせた施術メニューをご用意

患者様の身体の状態を把握し、より最適な施術を行うために、次のような施術メニューもご用意しております。

・EMSトレーニング
・POWER PLATEでのトレーニング
・無料で食リスク分析

当院では、産後の骨盤のゆがみを改善するだけでなく、筋力低下や健康状態を改善するためのトレーニング・食事分析も行っています。
また、産後太ってしまったことでお悩みの方には、ファスティング（健康断食）や栄養アドバイスも可能です。
多角的なアプローチによって、身体の痛みや不調だけでなく、健康な生活を意識した、身体づくりをサポートしていきます。

産後骨盤矯正を行うことで、次のような効果が得られるといわれています。

 

●骨盤周径の減少

産後骨盤矯正を行うことで、妊娠・出産によって開いた骨盤を元の状態へと近づけ、体型の崩れを改善することが期待できます。
出産後2ヶ月~8ヶ月は、骨盤が戻りやすいといわれています。

定期的な骨盤矯正を行い、体型の崩れを改善することで、妊娠・出産で増えた体重を落とす効果も見込めます。
骨盤を正しく調整することで、骨盤の開きを元の状態へと導き、妊娠前と同じ、またはよりよい状態へと改善していきましょう。

 

●不良姿勢の改善

産後骨盤矯正を行うことで、骨盤や背骨のゆがみを調整し、不良姿勢を改善する効果が期待できます。
胎児がお腹にいる間は、骨盤が前傾しやすく、背骨に負担が増える傾向にあります。

また、出産後は、授乳や抱っこで猫背になりやすく、不良姿勢による身体への負担は大きいといわれています。
そのため、骨盤矯正を行い、骨盤や背骨を正しい状態に戻すことで、身体の負担を減らしていきましょう。

 

●腰痛・肩こりの改善

骨盤がゆがむことで、骨盤につながる背骨には、負担がかかる場合があります。
その状態が続くと、背骨のゆがみにつながり、腰や肩に負担がかかり、腰痛や肩こりを引き起こすとされています。
そのため、妊娠・出産を機に、腰痛や肩こりを訴える方は多いと考えられます。

しかし、産後骨盤矯正によって身体への負担が軽減されると、腰痛や肩こりなどの症状を軽減することが期待できます。
身体の痛みを改善することで、育児や家事などの日常生活でのストレスを減らし、肉体的にも精神的にも、良い状態を維持していきましょう。